「京都に行って学ぶ」のオプションとしてご用意している、Q都ガイドプログラム。この記事では、実際に体験していただいた事例を元に、ガイドプログラムの活用イメージをお伝えしていきます。
今回の体験者は、京都橘中学校2年生(70名)の生徒さんたち
京都に住んでいるからこそ、住んでいる土地の歴史や文化、働いている人々や、時代を紡いできた知恵を学ぶことが、今後生きていく上でもきっとなにかの学びにもつながっていくはず。そんな思いを胸に、京都橘中学校の先生方とQ都コーディネーターとで「どのような学びの時間にできるとよいか」を議論しながら、旅前から旅後に至るまでの学びについて話し合った上で実施に至りました。
<はじめに>
Q都ガイドプログラムの冒頭には、学びの旅を始めるにあたってのオリエンテーションの時間が設けられます。この時間には、テーマに関連するインプットもおこないますが、大切なのは「なんでだろう?」の蓋をあけること、です。それはどんな学びをおこなう瞬間にも非常に大切な視点になると私たちは考えています。また、Q都ガイドプログラムでは「Q都コーディネーター」が学びの水先案内人となり、生徒さんたちに寄り添いながら、プログラムを推進していきます。
<STEP1:旅前学習> 問いのアンテナが立つオリエンテーション
今回のテーマ「100年時代の自分らしさって、なんだろう?」に関するオリエンテーションを、総合学習の時間(2コマ)を使い実施しました。
- 人生100年時代と言われる現代を生きていく上で、わたしたちが大切にできるといいこととは、何だろうか?
- 「持続可能性」とは、具体的にはどのような状況をつくることを意味するのだろうか?
- 自分らしさを大切にしつつ生きていくための工夫、とはどういうことだろうか?
これらのことを考えるにあたり、1200年以上つづくまち「京都」の中にある営みに着目することがひとつのヒントになるかもしれない、ということが本テーマの趣旨となります。
また、京都には長寿企業が多く存在していますが、「長くつづく(つづける)」ということにおいて、共通して見られる大切なキーワードがあることに気づきます。これらを深掘っていきながら、各時代と人々の生活の変化が企業の営みにどのように影響しているのかを考え、フィールドワーク前に「問い」が立つ状態をつくっていきました。
<STEP2:旅中学習> 地域企業の現場でフィールドワーク
旅前学習で「なんでだろう?」とアンテナが立った状態で、今度は実際に現場へと訪問することに。2手に分かれて、それぞれ異なる魅力をもつ地域企業でのフィールドリサーチをおこなっていきました。(プログラムの実施時間としては、約3時間〜4時間程度。)
A)魚屋からスタートした老舗料理店「京料理 二傳(にでん)」
1757年創業。当時、魚屋をひらいたところからはじまり、二条城への出入りを許されるようにまでなった歴史をもつ「京料理 二傳」。実際に職人の方が働かれている厨房を見学したのち、食をテーマにしたミニワークショップなどをおこないつつ、豊かな食文化の歴史をもつ京都の中で代々つづいてきた料理店ならではの「らしさ」を探究していきました。
B)京都土産「茶の菓」でも有名な株式会社ロマンライフ
1951年創業。「食を通じて喜びをリレーする」を大切にしながら、京都クオリティを磨き続けることをモットーに取り組まれている「株式会社ロマンライフ」。会社が運営する工房とショップ・カフェを併設した「ロマンの森」に訪問し、実際のものづくりの現場を体感しつつ、会社の歴史や工夫について学びました。また、創業から70年経ち、次の100年を目指しているチャレンジ企業としての挑戦と変化、「らしさ」を守ってきたエピソードを社員の方からお話いただき、「働く」ことそのものに対する学びも深まる時間に。
<旅後学習> 振り返りと対話を通じ、自身の学びをより深める
フィールドワークを終えて帰ってきた数日後。最後にプログラムの集大成として、企業訪問での学びを整理しつつ「100年時代の自分らしさ」について探究を深める時間をもちました。(総合学習の授業を3コマ活用し、実施しました。)
各自発見したことや感じたことをグループワークでシェアしながら、さまざまな捉え方があることを学んだのち、京都の地域企業の営みや、大切にしてきたことの中から見えてきたヒントを手がかりに、「自分らしさ」を大切にしながら生き続けるためのアクションを考えていきました。
プログラム実施期間としてはあっという間に終わってしまいましたが、終了後のアンケートでは、参加いただいた皆さまから多くの反響をいただきました。(一部のみですが、ご紹介します)
参加した生徒さんの声
- 普段自分のことについて考えることはないので改めて自分を顧みるということが印象的でした。また、企業について考えることもたくさんのことが学べたので楽しかったです。
- たった数十年で人々はすごく成長しているということに気づけた。
- 100年生きれると言われてる時代で100年近く生きるのがとても楽しみになりました!!
- 世界がとても変わっていたのが印象に残りました。長く続く企業は変えると変えないのバランスが丁度いいので長く続いてるのかなと思いました。
- ロマンライフも二傳もお客さんの意見を取り入れたり、環境問題やこれからの世界についても考えていたので、私も視野を広くしないといけないと思いました。
- 私は二傳に見学に行きましたが、二傳さんは時代に流されず、しかもお客様の求めているものを提供できるように工夫しているということがとても印象的でした。また、昔はお客様の家まで行ってそこで料理をしていたということを知ってとても驚きました。
- 人も、二傳さんやロマンライフさんと似ているのかなと思いました。 昔は手作業だったことを、今は機械がしているのは便利なことだけど、その技術を持っている人がいなくなったり、必要とされなくなったりするので、時代の流行を取り入れずぎるのも駄目だと学びました。
参加した先生方の声
- 生徒たちも非常に意欲的に参加できておりました。また、生徒が考察していく中で、私たち自身も「そんな考えがあるのか」と驚くような場面がありましたので、とてもいい刺激をいただいたなと思います。
- 特に中学生年代で、働く(京都の)に触れることはかなり重要と思います。
- 実際にいろんなものに関わっておられる方の見方・考え方に触れることが生徒たちにとって大きな経験になると思うからです。また、教室で座って学ぶのと、実際に働いている方や街の中にいらっしゃる方に出会うことが、生徒たちに変化を与えるきっかけになるとも考えます。
- まだまだ学ぶ機会や素晴らしい材料はたくさん街に転がっている、ということに改めて気づけました。
- 単発で終わっては勿体無いと感じる。年間通して、何か関わりを持てればもっと学びが深くなるのではと感じた
こちらを読んでQ都ガイドプログラムに関心をもたれた方は「資料請求」フォームからご記入いただきますと、資料のダウンロードが可能となっております。資料をご覧いただいた上で、もしプログラム実施を希望される方はお問い合わせフォームよりお尋ねくださいませ。
最後までお読みいただきありがとうございました!