794年に平安京ができてから1000年以上都として栄えた京都ですが、明治維新を経て天皇が東京に移ることになったとき,都市の活力を呼び戻すため水の力を利用することに決めました。琵琶湖の水を京都へ引くことは昔から京都の人々の悲願。

ほとんど人力だけの難工事を経て1890年に完成した疏水(水路)は、生活用水だけでなく、水力発電や水運等,近代的な産業と豊かな文化をもたらしました。そんな琵琶湖疏水(びわこそすい)の成り立ちに触れ、さまざまな問いを探究できる博物館が、琵琶湖疏水記念館です。

琵琶湖疏水記念館

水がもたらした豊かな文化

琵琶湖疏水記念館が所在する岡崎エリアでは、平安遷都1100年祭にあわせて国の博覧会が開催され、疏水は、平安神宮の双肩に続き、多くの庭園や別荘が築かれる礎にもなったのです。京都では,庭園や茶の湯の文化、酒や野菜といった京の伝統食,京友禅などの伝統産業など,水なしでは語れない文化や産業が、古代から現代にかけて様々な形で私たちの生活と心を潤しています。

疏水建設を決断した当時の府知事が残した「百年の夢を楽しむ」という言葉には、どんな想いが込められていたのでしょう。大規模な計画でしたが、水力発電の実用化など、時代に合わせて柔軟に計画を変更したことで、今も生活を潤してくれている琵琶湖疏水。先人からバトンを受け取った私たちは、水資源を次の世代にどのような形で託しますか?