26年前に京都の一軒の小さな古着屋から始まったSPINNSは、「主張がスタイルをつくる」、「変われるってムテキ」をコンセプトに、常に時代のトレンドに添いながらも自分らしい表現とファッションを通して生き方さえも変えていけることを大切にしています。
古着には隠れた魅力や可能性が眠っていて、「これがいい!」と自分自身が価値を見出すこと、愛着をもてる一着と出会うことが古着の面白さです。
そして、自分らしく長く着続けることで時代を超えて紡がれていく価値が生まれ、「モノを大切にすることの豊かさ」をスタイルとして提案しています。
循環する古着を通して、若者も地域もエンパワーメント
2019年には、店舗併設で古いものに新たな価値を加えたアップサイクル商品を開発する「RE;CIRCLE STUDIO」をオープン。「古着から素材をつくる」という発想もここから生まれ、古着を裂いて織った”裂き織り”のリメイクアイテムの展開が始まりました。
古着に1着として同じものがないように若者や地域にも隠れた可能性や個性があります。
SPINNSのホームページでは、全国55の店舗で活躍する店長さん自身の経験を交えて、それぞれのストーリーや挑戦をエピソードとして掲載し、紹介しています。また、若者が地域に「思い出」と「愛着」を育むための過程で【気づきのタネ】を発見できる場づくりをする”TANEMAKIプロジェクト” や、さまざまなタイプの生徒が自分らしさを発揮しながら高校卒業資格を取得できる通信制の「SPINNS高等学院」の運営を通して、昨日までとは違う自分と出会い、夢中になって生きる中で生まれる成長や変容、つながる喜びを分かち合うきっかけ(原動力)を届けています。
これまで国内で捨てられた多くの古着は途上国に輸出され販売されていたところ、コロナ禍により行き場の失った国内古着を循環させるため、他社との連携により京都市内の高齢者住宅で古着の無人販売店舗をオープン。古着を軸に、企業のリソースを生かして地域や社会に貢献できる取り組みはこれからも増やしていく予定です。さらに、行政や地域企業、若者世代との協働プロジェクトも動き出しました。京都市内を中心に設置されている回収BOX『RELEASE⇔CATCH』で使用済衣服を集め、古着の回収と再循環のお祭り「循環フェス」で参加者にお持ち帰りいただくことで、循環の輪を広げています。使用済衣服のリユースによるCO2削減量を測定する社会実験も行いながら、また、今後はさまざまな異業種とも連携し古着以外のモノの循環にも取り組み、さらなる循環を地域全体で生み出し続けます。