当時の人々の「まちづくりは人づくりから」という信念により、京都で日本初となる64の学区制小学校が開校しました。これは全国的に学校制度が導入される前のことで、行政だけでなく町の人々が自分たちのお金を出し合ってつくったものです。町ごとのまとまりを単位としてあらわした番組(町組)が元になったため、これらの学区制小学校は「番組小学校」と呼ばれていました。

京都市学校歴史博物館は、京都市の学校に遺された教育資料や寄贈された美術工芸品を展示し、京都の教育の伝統をつくり、学校の運営と創設に力を注いだ町衆の情熱を発信する、日本で大変珍しい博物館です。

展示室「教科書の部屋」には昔の教科書がずらりと並ぶ

力をあわせることで切り拓いたまちの未来

小学校は教育だけでなく、地域を守るための役割も担い,町の人たちが会議する場や、防災施設などもつくられました。学ぶことは、生きる力を育むこと。その力を結集させることで、自分たちが住む場所のことは自分たちで考え、守り、より良くしていく基盤がつくられていったのではないでしょうか。

激動の時代に自分たちのまちを自分たちの力で築き上げていった姿勢と行動から、今の時代を生きるヒントを見つけてみてください。