約20年前に夫婦で世界一周旅行をした時、発展途上国の多くで、想像以上に厳しい貧困の現状を目の当たりにしました。自分たち以上に努力をしている人たちが報われない人生を過ごしていることを知り、理不尽だと感じたのです。とくに社会の理不尽さに翻弄される多くの子どもたちが、学校に行けない現状は私たちにとって大きな衝撃でした。

この子どもたちに私たちが何かできないかと考えた結果、アジアを旅をする中で教育の大切さを痛感したこともあり、「子どもたちが教育を受けるお手伝いをさせてもらおう」と決意。 その学校建設の資金に充てるため、帰国した私たちはタイ料理店「キッチンパクチー」を創業したのです。

ナサイプーカム小学校で、生徒たちと撮影

スタッフと東南アジアの教育現場に寄り添う事業

「タイキッチンパクチー」は現在、大阪、京都で5店舗運営しています。タイ現地の食堂の雰囲気の中で本場タイ人シェフのタイ料理が味わえる店をコンセプトに、起業の目的である「アジアに小学校を建てて社会貢献する」を叶えるために事業を続けてきました。おかげさまで多くのお客様にお越し頂き、東南アジアのラオスに小学校を2校寄贈(きぞう)することができました。京都市内の小学校で使用されたアルマイト食器を送って、資源を再利用する取り組みも始めました。

京都は小商いのまちです。急に社会が変わっても大丈夫なように商売を大きくしすぎず営んできました。私たちも店舗数を増やすことが第一だとは考えていません。スタッフに活躍する場を提供するため、アジアの子どもたちに教育の場を増やすお手伝いをするために、事業を発展させていきたいと思っています。