Q.なんでチョコのお店が農家にカカオ栽培を教えるの？

今、世界人口が76億人となる中で世界の富の半分以上が１％の人たちのものだと言われています。富が一部の人たちに集中し続ける状態では、どんなに経済が成長しても貧しい人は貧しいままです。国々の努力により世界の貧困率は下がってきていますが、教育や保健、福祉、その他のサービスを受けられる機会という点では不平等が解消されているわけではありません。国によって不平等の中身は違いますが、不平等や格差の問題が拡大している状況は共通しています。日本も2014年に所得格差を示すジニ指数が過去最大になったことも発表されました。

不平等は経済的な格差だけではありません。所得の不平等以外にも先進国・途上国を問わず、年齢、性別、障害の有無、人種、民族、出自、宗教などに基づく不平等が世界中にあります。国と国の間、そして一つの国の中でも起こる不平等は、別の問題のように見えますが、実はそれぞれが複雑に絡み合って起こっているのです。
社会的な支え合いにより、取り残されてしまう人をなくす「ソーシャルインクルージョン（社会的包摂）」という考え方が提唱されている背景には、何があるのでしょうか。日頃から身近な場面で、多様な人たちが活躍する社会づくりを考えてみましょう。

*出典：世界不平等研究所（本部・パリ）　2021
*出典：国連広報センター HP「SDGs報告2019」
*出典：厚生労働省（2019）「国民生活基礎調査の概況」
*出典：LGBT総合研究所（2019）「LGBT意識行動調査2019」