国立京都国際会館は、地球温暖化防止京都会議(COP3)をはじめとする数々の国際会議や国内会議等が開催された、国立の会議施設です。 「人は自然の中に集い話し合う」というコンセプトのもと設計された会議場は、周辺の豊かな自然環境と調和するだけでなく、文化が異なる多様な国・地域の人々が交流と会議に集中できる設計や仕掛けに溢れています。

開館以来、18,000件近くの会議・イベントを開催し、1997年12月に採択された「京都議定書」の舞台となるなど、日本の国際会議の歴史をつくってきました。

場の目的・シーンにあわせて会場を演出

自然環境や多様な文化との調和

地球規模の課題や重要なテーマが話し合われる緊張感の合間にも人々が語らい、本音を話しやすい環境づくりを意識して、ゆとりをもって広く作られた廊下や協議しやすい設計のテーブルや空間。会議場の外でもお互いの信頼関係と対話を築くことにつながる、建物のデザインや仕掛けが国際的なルールづくりを支えていたのです。大きく内側に傾く台形の外壁も必要な広さを確保しながら、周辺の山々への圧迫感を緩和するという意図があります。

このように自然との調和を重んじ、多様な文化や価値観との協調を象徴する国際会議場のあり方は、今の時代の私たちに世界の共通課題に取り組む上で大事な姿勢を教えてくれます。