日本に仏教の教えを広めた中国・唐の鑑真和上(がんじんわじょう)を祖とする壬生寺は、991年に快賢僧都(かいけんそうず)によって創建されました。古来の地蔵信仰とともに厄除け・開運の寺として庶民の信仰を集め、2月の厄除け節分会は約900年、「壬生狂言(重要無形民俗文化財)」は、約700年もの歴史をもつ行事として親しまれています。また、幕末に活躍した新選組ゆかりの寺としても知られ、境内には隊士のお墓を祀る(まつる)壬生塚があります。
そんな壬生寺では、お寺の設備や関連施設での再生可能エネルギーへの転換が進められています。
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地域とともに脱炭素に取り組む発信拠点
壬生寺では、社会に一般的に普及する前の20年前から生ごみを土の肥料に変えるためのコンポストや雨水タンクに取り組むなど、環境や社会のための活動を先駆けて続けてきました。さらに最近では、敷地内の関連施設の屋根に太陽光発電システムを導入したほか、石でつくられた灯籠(とうろう)などの照明器具や仏さまを供養(くよう)する万灯会(まんどうえ)での灯籠の灯り(約1000灯)を発光ダイオード(LED)に変えて省電力化するなど、脱炭素の取り組みを率先して進めています。
古くからお寺は京都のシンボルであり、多様な人やその時代の最先端の情報が集まる場所として地域コミュニティの核になってきました。スマホなどの通信機器がない時代にも、信仰する人々がお寺に集まり、いろいろな情報がもたらされ、そこにコミュニティーが生まれたのです。広い境内があり、心のよりどころでもあるお寺は、現在でも人々が集まる場所です。
皆さんはお寺にどんなイメージをもっていますか?お寺は、もともと仏教を勉強する施設(学校)として建立されたのが起こりですが、お葬式や祭り・布教の場であるだけでなく、地域における教育や福祉、文化の拠点としての役割を担ってきました。最近では、若い人たちも参加しやすい様々なイベントを開催し、地域活性化につながる住民の活動拠点にもなるようなお寺も増えてきました。地域社会や日本が取り組むべき、脱炭素のようなテーマにお寺が率先して取り組むことで、多くの人に日常生活の中での意識づけにつながればと願っています。
コンビニよりもたくさんあると言われているお寺には、地域住民やお寺どうしのネットワークもあるため、今後は発電施設をもつ神社仏閣を災害時の避難所として活用するなど、信仰にかかわらず地域の大事な拠点として、これからも新しいお寺の役割を担いながら、その意義を社会に発信しつづけていきます。